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2013年 10月 02日
![]() 「ヨシザカについて私が知っている2、3の事柄」 18.「あそび」のすすめ U研の設計した建物にはユーモアがある。 (ヨシザカの体質だけでなく、大竹十一さんの体質も大きく影響している) 八王子の大学セミナーハウスの目をジュニア(同じ大竹性だったので、「後から入った若い方」という意味でそう呼ばれたのだが、初めてジュニアに会った時は、「何でこんな毛むくじゃらの男がジュニアなんて可愛い仇名なんだ?」と思った)が担当した時の話がおもしろい。 「セミナーハウス本館の詳細をやれと言う。(略)一カ所一ヶ月の期間がある。楽でいいなあと思う。ところが、これは大変厳しいことだと分かってくる。一カ所一ヶ月もやっていると、自分の持ち駒はもちろん、考えつくことは全部吐き出してしまうことになる。それまでは、どうも真面目につきあってもらえない。ボスは『あ、これはざんざらマコモのアマリリスね』などと、全くわけの分からないことしか言ってくれない。」(「建築文化」7909) 実は私もコンペを手伝っていた時に十一さんから似たような言葉で頭を引っ掻き回されたことがある。 万事がこんな調子で、U研では「あそび」と研究と仕事の間には境目が無く、行ったり来たりしながらすべてが進んでいたのだろう。だからユーモアや意外性のあるふっくらしたデザインが残った。今の効率と経済性だけを求めたギスギスした設計の現場からは決してこうしたものは生まれない。 同じような空気は吉阪研にも漂っていた。 ODrはいつも碁ばかり打ってパイプをプカプカくゆらし、何か真面目なことを言うと茶々を入れて引っ掻き回された。 「みぞぶちはここで何を研究するんだ?」とTさんに言われた。 「バラックを研究します」と答えると、 「おお!それはおもしろい」と言われ、 いきなり台東区の住宅地図を開いて、「じゃ、明日、ここに行ってこい」と言われた。 それは日本堤の横にある玉姫公園で、要するに山谷の中心だった。 次の日、そこに行って、いきなりしょっぴかれた。 「お前のような若い男がカメラを抱えて昼間からこんな所にいるということは過激派か何かで、労働者をけしかけて暴動でも企んでいるに違いない」と言うのだが、言ってる本人が人相が悪いので、 「お前こそ刑事なんかじゃなくて過激派だろう」と言い返したのが火に油を注ぐ結果となってしまった。私服刑事は怒って懐から警察手帳を出して連行し、交番で30分くらいお説教を喰らった。結局、無罪放免となったが、カメラで写真を撮る時は目立たないよう気を配るようになった。 その話を帰って研究室ですると、「じゃ、今度はここに行け」と、千束四丁目を指示された。昔の吉原遊郭があった所だ。 その名残りでソープランドばかりだったが、今度は気をつけて慎重に写真を撮った。 午後3時を過ぎた頃から街の空気が一変した。 キャデラックが停まり、中から凄い格好のオネエサンが出てくる。 思わずカメラを向けたら、 「今、オンナを撮っただろう」と恐いオニイサンが横から出てきて、すばやくカメラを取り上げ、フィルムを抜き取られた。 一人では危険だなと思った。 「バラックへの誘い(いざない)」というポスターを作り、研究室の前に貼ってカモを待ったら、下級生が2人掛かった。Y君とI君だ。 (Y君とはその後も仲が続き、香港の九龍城を一緒に見に行った。現在、彼は日本を代表するシンクタンクの主任研究員として活躍している。I君はこれが切っ掛けでインドのムンバイの住民闘争に関わったり、世界の危険地帯の武装解除に関わるようになった。現在は某大学の教授だが、未だにあの頃感じたことをスケールアップさせながら貫いている) 3人で「バラック研究会」を作り、おもしろいバラックがあると聞けばどこへでも飛んで行き、写真を撮りまくった。 立川の米軍基地(今の昭和記念公園)や根岸の森林公園横の米軍基地に無断で侵入した時は2度とも帰り掛けにMPに捕まり調書を取られた。 「2度捕まったら軍法会議にかけられる」とODrに言われたが、今の所、呼び出しはない。 研究室会議では毎回撮った写真を広げて、どこがおもしろいかを発表した。 今から思うと後に路上観察学会が本にまとめたようなことを先行して本能的にやっていたのだが、ただおもしろいというだけではそこに住んでる人や使っている人達に失礼だし、また形態論に限って話をするのは余りに表層的だし、どうまとめるかとても苦労した。 ある晩、寝ながら考えてたら、「ユーモア形態学」という言葉がふと浮かんだ。 英語で言うと「Humorphology」。 Humorとmorphologyを組み合わせた造語で、それを積分すると「Human Nature」になる。 目指す方向と組み立てはできたので、翌日、Y君とI君に説明をした。 すると彼らはこれまで撮り貯めてきた写真を細かく分類して瞬く内に体系だった論理にし、それを卒論にまとめた。 こういう風に興味のある事を夢中になってやり、行動することをヨシザカはいつも強く後押ししてくれた。一度もブレーキを踏まれたことはないし、それどころか「こういう手もあるぞ」と考えを広げてくれ、アクセルを全開にしてくれた。 私の人生であの2年間ほど夢中で生きた時間はない。 かずま
by odyssey-of-iska5
| 2013-10-02 23:38
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